段ボール業界で働くために知っておくべき知識と心構えを解説!

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段ボール業界で働くために知っておくべき知識と心構えを解説!

これから段ボール業界で働く方、もしくは段ボール業界で働いて間もない方、段ボールに関する知識不足でお悩みではないでしょうか?

筆者である私、7年間、段ボール業界で働いていた経験があるのですが、入社当初は何も知識が無い状態からのスタートでしたので、1日1日が苦痛でした。

段ボールに関する知識は自らで学ぶことが難しく、実務経験を通じて知識を身に付けていくことがほとんどになるかと思います。

大抵の人は、知識ゼロの状態で業界に飛び込むことになるので、はじめは不安でいっぱい、
働くことがきつく感じる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで、この記事では、段ボールなどの梱包資材をネット販売する会社におよそ7年間勤務し、営業として特注の段ボールの制作のご相談を承っていた私の経験を元に、段ボール業界で働くために知っておくべき知識について、ざっと解説いたします。

段ボールはとても奥が深い資材ですので、ポイントを掻い摘んで解説いたします。

この記事を読めば、段ボールに関する初歩的な知識が身に付きます。

段ボールは、「いい加減」で、「様々な材質」があり、「色んな形状」に加工できます。
この前提知識があるだけで新たな知識の飲み込みが早くなるでしょう。

以下、それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。
※なるべく専門用語は使わずに解説しております。

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1.段ボールは「いい加減」

段ボールのサイズを測って悩む人。

段ボールは「いい加減」。これは決して悪い意味ではございません。

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段ボールは紙ですので、湿気を吸うことで繊維が伸びたり縮んだりします。
その為、大きさや重さにも変動がでますし、柔らかくもなります。

また加工における寸法誤差も出やすく、機械を通した際に潰れることがあります。

そもそも狙ったサイズに加工することが難しいのです。

実際、JIS *の規格でも制作における許容誤差が設けられているほどです。

* JIS(日本工業規格)とは、日本の工業製品やサービスの品質、性能、安全性などの基準を定めた規格のことです。日本の産業や消費者保護のために、製品の統一性や信頼性を確保する目的で策定されています。JIS規格に適合する製品には「JISマーク」が付けられ、品質が保証されています。

この前提知識が無いと、クライアントから「サイズが違う」と指摘された際にぐうの音も出ない状況に陥ってしまいます。

上記の点、クライアントにご理解いただくためにも、資材としての特徴として確実に抑えておきましょう!

2.「様々な材質」がある

様々な材質がある段ボールのイメージ。

段ボールには「様々な材質」があります。

身近な段ボールを触って比べていただくと分かりますが、
「硬い」段ボール「柔らかい」段ボールがあります。

ざっくり分けると強度が必要な場合は硬くし、強度が不要で価格を安くしたり、軽くしたい場合などに柔らかい材質を選定します。

野菜を入れる農協の箱などは、水分を吸ったり、中に野菜をたくさん入れて箱を高く積み上げたりすることが多いので、とても硬い材質が使われています。

逆にAmazonの箱などは、おそらく価格を抑えるために柔らかい材質が使われています。

段ボールには、材質以外にも厚み(フルート)*の規格があり、用途や加工方法に応じて適切な厚み、材質を選定する必要があります。

* 段ボールの「フルート(Flute)」とは、段ボールの芯部分にある波状の構造のことです。この波形が段ボールにクッション性や強度をもたらし、荷物を衝撃から保護する役割を果たします。フルートは「W/F」や「A/F」など「○/F(フルート)」のように表記し、一般的に「W/F(ダブルフルート)」、「A/F(エーフルート)」などの順番で強度が出ますが、詳しいご説明はここでは割愛します。

段ボールは材質選定が最も難しく、また面白いところでもあると個人的に思いますので、
色んな段ボールを見て触って学ぶ姿勢が大事です。

3.「色んな形状」に加工できる

段ボールを色んな形状に加工できるイメージ。

段ボールは基本的に「抜き型」を使って加工しますので、「色んな形状」に加工ができます。

段ボールの抜き型とは、段ボールを指定の形状にカットするための型のことです。通常、金属製の刃を木製の板にセットして作られ、「ビク抜き」や「トムソン抜き」とも呼ばれます。この抜き型を使うことで、段ボールを正確に、効率よく箱の形や仕切りなど、様々なパーツにカットできます。

パーツを組み合わせることで様々なものを作ることができますので、設計次第で、車や自動販売機など複雑な物を作ることもできます。

その為、クライアントからの要望に対しては、設計、コスト、納期、また用途に対して資材として相応しいかが噛み合えば、おおよそのことを実現できると言えます。

要望をいかにして叶えることができるか、これがクライアントに対して、段ボールのプロとしての手腕の見せ所かと思います。

4.心構え

これは段ボールだけに限らず、他の資材、商材に対しても言えることだと思いますが、クライアントとやり取りする部署の方は、クライアントの要望を「鵜呑みにしない」ことが大事です。

一部のクライアントを除いて、基本的にクライアントは知識に乏しいです。

浅い知識の中での要望があがってくるので、そのまま鵜呑みにしてしまうとクライアントが解決したいことに対して、適切なご提案ができないことがあります。

例えば、クライアントが段ボールの中に入れるものが重量物なので、「この材質で箱を作ってほしい」と指定をしてきたとします。

それに対して言われたままに承ってしまうと強度が持つのかの保証ができません。

その時の対応として必要なのは、指定の材質が果たして適切な材質なのか判断することです。

「入れるものが何kgくらいのものなのか?」、「箱をどのように使うか?」、「使用期間は?」など具体的にヒアリングします。

そしてヒアリングの結果を元に、指定の材質では不十分だと分かったら、さらに上の材質をご提案してあげる、逆に指定の材質がオーバースペックな場合は、材質を下げて価格を抑えてあげるなど、最適なご提案をしてあげる必要があります。

常に「なぜそうしたいのか」を考え、適切なヒアリングをする。

クライアントから単に「求められた薬」を処方するのではなく、プロは「適切な薬」を処方する「ドクター」であるべきなのです。

そのためには、念入りな診断(ヒアリング)が必須になります。当然ですが、適切なヒアリングができるようになるには知識が必要です。

知識を身に付けるには時間がかかりますが、1つ1つの経験を大事に知見を深めていき、
知識不足な時期は周りのサポートを受け、着実に成長していけるよう、仕事に取り組んでいきましょう!

まとめ

まとめ。ノートにメモをしている様子。

以上、段ボール業界で働くために知っておくべき知識と心構えについて解説いたしました。

この記事では語り尽くせないほど、段ボールは奥深い資材ですので、
何かお困りごとがあれば、是非私までご相談ください!